STORY
起業ストーリー
1. “よそ者”として始まった幼少期
アメリカに生まれたワイツナーさんは、中学までアメリカとイギリスを行き来しながら育ちました。日本人学校という安全な選択肢を自ら退け、現地校に飛び込むことを決めたのは幼いながらの挑戦心と負けず嫌いゆえ。語学も文化も宗教も異なる教室で、常識が通じない体験を重ね、「自分で選んだ以上、弱音を吐かない」と毎朝登校を続けました。スポーツクラブで仲間と勝利を分かち合った瞬間、言葉を超えたチームワークが異文化の壁を溶かすと知り、協働の喜びが胸に刻まれます。
2. 帰国後も続いたアイデンティティの揺らぎ
日本に戻ると今度は“海外帰り”として扱われ、アメリカでもイギリスでも日本でもよそ者の感覚が消えませんでした。
「私はどこの誰なのか」
という問いが心の奥に居座り、自分らしさを探す日々が続きます。
3. プロコーチからの問い――人生を主体的に選ぶ転機
社会人になり、老舗コーチング会社に入社すると、同僚であるプロコーチたちから
「あなたは本当は何をしたいの?」
と真正面から問わる機会がいくつもありました。答えられない自分に湧いたのは強烈な悔しさやもどかしさ――自分のやりたいことが言えない。自分より他者にどう見られたいか、で生きてきたんだと思い知らされました。私は自分のことを何もわかっていないじゃないかと。そこから「自分の人生を自分で選ぶ」という覚悟と欲求が芽生えます。
4. コーチングという“正解のない世界”へ
コーチングは、これまで努力を積み重ね成果を出してきた彼女にとって、“正解が数式化できない”初めての領域でした。だからこそクライアントが変化する瞬間に立ち会うことが何よりの歓びとなり、結婚・出産で会社を離れても歩みは止まりません。2016年から個人事業主としてセッションを継続し、国際コーチング連盟(ICF)のプロ資格を取得。
5.コーチングに込める“こだわり”
ワイツナーさんがコーチとして活動するうえで常に意識しているのは、「クライアントはコーチングを受けに来ているのではなく、自分の人生を前進させるために会いに来てくれている」という姿勢です。
「寄り添い」「傾聴」「承認」——コーチングにおける大切な要素であることに間違いはありません。でも、それだけで本当にクライアントの人生は動くのか?という問いを、常に自分自身にも投げかけています。
クライアントは、何かを変えたい、進みたいという意志を持ってこの場に来てくれている。だからこそ、対話のひとつひとつが“前進のための時間”となるよう、全力で向き合っています。
ICF国際コーチング連盟のPCC資格保持者として、高い倫理規定とスキル基準に基づいたコーチングを提供する責任があると同時に、常に学びを止めず、自らをアップデートし続けることを大切にしています。
セッションでは、クライアントへの飽くなき好奇心と探求心を持ち、見えている世界や捉え方、価値観、信念を共に探索していきます。コーチとして見えたこと、感じたことを率直に伝えながら、クライアントの内省と前進に力を注ぎます。これまでの経験やナレッジも惜しみなく差し出し、目の前のその人が「自分の力で人生を創っていく」ための伴走者でありたいと願っています。
45〜60分のセッションでは、冒頭に「今日、この時間であなたが得たいものは何ですか?」と問い、明確なゴールを設定。終盤には次なる具体的行動に合意し、毎回確かな一歩を持ち帰っていただく設計をしています。
さらにセッション後には、対話の中で見えてきた価値観・信念・思考パターンをまとめたログをお渡しします。これは単なる記録ではなく、自分自身を客観的に見つめ直す「内省の鏡」として、次の選択を後押しするものです。
「クライアントの人生は膨大で、私に見えているのはそのほんの一部。だからこそ、学び続ける姿勢を手放さない」。
そして、「私との関わりが、その人のこれからにとって追い風になるように」——そんな想いを胸に、目の前の一人と真摯に向き合い続けています。
6.これまでの実績、生徒さんの変化
•受け身だった管理職が自身のリーダー像を整理、言語化しながら能動的にチームと関わり、発言するようになり昇格。チーム評価も向上。
•本当に提供したいものは?にずっとモヤモヤしていた研修講師が自身の専門キャッチコピーを定め、ブランドを刷新。
•時間に追われるワーママが「やらなきゃ」から「やりたい」という意識変容へ。また、「助けを求める基準」を設定し、キャリアの中長期プランを描けるように。
これらはすべて、言語化と行動にこだわる対話がもたらした結果です。
7.次なる挑戦
これまで主に30〜40代のビジネスパーソンを中心に支援を行ってきましたが、今後は、ティーンエイジャーや就活生といった次世代にも早い段階から「自分で選び、自分に責任を持つ力」を届けたいと考えています。
人生の早い段階で、「わたしが人生を創る」という感覚を持てることは、その後の選択や生き方に大きな影響を与えると信じています。人と交差する瞬間に生まれる気づきや成長のきっかけが、未来を変える力になる――
そうした“交差点”を、若い世代とも共に創っていくことが、これからの挑戦です。
どの世代においても、「一歩を踏み出す勇気」のそばにいられる存在として、出会いに心を込めて向き合い続けます。
メッセージ
出会った誰かが未来で立ち止まったとき、ふと「あの対話があったから」と思い出してもらえるような存在でありたい。
幼い頃、自分が選んだ“現地校へ進む”という小さな決断。その一歩は、時を越えて、今も誰かの一歩を支える力へと変わり続けています。
PROFILE
プロフィール
